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Ginza Puppy
徐々に「地上絵師」としての経験を重ねてきたぼくが、2つの点ではじめて挑戦したものが、この銀座の子犬。
まずひとつめは、これが依頼されて描いたものだという点。ご存じ銀座の老舗文房具屋さん伊東屋からのオーダーだったのだ。→『伊東屋のフリーペーパー"itoya post"にGPS地上絵載ってます』
ふたつめは場所が先に決まっていた、という点。いままでの設計は、ひたすらいろいろな場所の地図を眺め、どこかに絵が隠れていないか探す、というやりかただった。しかし今回は伊東屋のお膝元銀座で、という条件があった。
これだけでもかなり難しいのだが、銀座と来たらご存じの通り碁盤の目。絵のとっかかりになる曲線がまるでない。何回もあきらめかけてお断りしようかと思った。いままででいちばんしんどかった。
最終的には、やはり、というか三原橋の特徴的な円形の道路をきっかけにご覧のような子犬が見えてきた次第。苦労の甲斐あってかわいい。ただ、出来上 がりに関しては、高い建物が多いせいでかなり測位誤差が大きい。まあ、結果としてはやわらかい線になったのでけがの功名と言うべきか。
よく知っている街で描くのも初めてで、その点の非常にエキサイティングな体験だった。地上絵のための移動って、およそ論理的な動き方ではなくて、その結果まるで知らない街のように感じた。詳しい記事は→デイリーポータルZ『銀座でジャメヴュになる方法』
GPS地上絵の不思議さを改めて実感した描画でした。
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